切開リフト(顔面挙上)の傷あとはなぜ「切開線の位置」で決まるのか? — 生え際・耳珠(トラガス)の解剖学
- 切開リフト(顔面挙上)の傷あとが目立たないかどうかは、①耳の軟骨と生え際の自然な境界に沿った切開デザインと、②深層SMAS固定による「皮膚の無緊張縫合」の2つで決まります。
- こめかみ生え際の下縁と耳珠(トラガス)の自然な陰影ラインに沿わせることで、もみあげの消失や耳たぶの変形(ピクシーイヤー)を防ぎます。
- 術後1〜3ヶ月は一時的な赤みが見られますが、6〜12ヶ月かけて耳周りの自然なシワと同化する細い白い線へと成熟していきます。
「切開リフトを受けたいけれど、耳の前の傷あとや、もみあげがなくなって不自然になるのが怖い」——実は、切開リフトの傷あとが綺麗かどうかは、縫合の段階よりも前、『どの解剖学的境界線に切開線を置くか』で8割が決まります。

こんにちは。ソウル・江南(新沙駅)にあるAVA美容外科の代表院長、形成外科専門医のキム・スンスです。
どれほど細かく皮膚を縫合しても、耳の自然な陰影から外れた直線的な切開線であったり、皮膚に強い引っ張り(張力)がかかっていたりすれば、傷あとは必ず目立ってしまいます。今回は、髪をアップにしても気づかれにくい切開リフトの「切開線デザイン」と「もみあげ保護の原則」を詳しく解説します。
01. なぜ「皮膚の縫合」より先に「切開線の位置」と「深層固定」なのか?
人間の目は、何もない平坦な皮膚の上にある一本の線にはすぐ気づきますが、「もともと存在する立体的な境界線(軟骨の輪郭や生え際の段差)」に重なった線は認識しにくいという視覚的特性を持っています。
さらに重要なのが張力(テンション)のコントロールです。皮膚だけを引っ張って縫合すると、傷口が常に左右へ引き伸ばされて幅広の白い傷あとになったり、耳たぶが下に引っ張られる「ピクシーイヤー(耳たぶ変形)」になったりします。深いSMAS層と支持靭帯を確実に引き上げて固定し、表面の皮膚は「ただそっと元の位置に置いて縫い合わせる(無緊張縫合)」ことが、美しい傷あとの絶対条件です。
02. こめかみ・もみあげの設計:「頭皮内切開」と「生え際境界切開」の使い分け
切開リフトで意外と見落とされがちな失敗が、「術後にもみあげが上に引っ張られて消えてしまい、こめかみが広く禿げたように見える現象」です。
- 引き上げ量が少ない場合(頭皮内切開): 髪の毛の中に切開線を隠すことができます。
- しっかり引き上げる場合(生え際境界の毛包斜切開): 引き上げ幅が大きいのに頭皮内だけを切ると、もみあげの毛根ごと上へ移動してしまいます。このような場合は、もみあげ下縁の生え際ラインに沿って、毛根の角度に合わせた斜め切開(Beveled / Trichophytic incision)を行います。これにより、もみあげ本来の位置を1ミリも変えずに余剰皮膚だけを除去でき、術後は傷あとの上から産毛が生えてラインを自然に隠してくれます。
03. 耳前(トラガス)・耳たぶ・耳後ろの3D曲線デザイン
- 耳前(耳珠・トラガスライン): 耳の穴の前にある軟骨(耳珠)の自然なカーブと陰影に沿ってデザインします。軟骨が引っ張られて変形しないよう、軟骨膜上のテンションを完全に逃がして縫合します。
- 耳たぶ基部(ロブ・ジャンクション): 耳たぶと頬が接する一番深い溝に切開線を収め、深層SMASを強固に固定することで、ピクシーイヤー(刀耳)変形を予防します。
- 耳後ろ〜後頭部生え際: 耳の裏側の折れ返り溝から後頭部の生え際へと滑らかに繋げることで、ポニーテールやまとめ髪をしても後ろから傷あとが見えにくい設計にします。

04. キム・スンス代表院長 1:1切開リフト・傷あと相談のご案内
初めての切開リフトで傷あとが心配な方も、他院術後の傷あと・耳たぶ変形でお悩みの方も、下記の日本語窓口よりお気軽にご相談ください。
- ✨ ディーププレーン切開リフト 日本語専用ガイド&術後経過を見る →
- 📅 1:1 Zoomオンライン相談・ソウル来院予約(日本語予約ハブ) →
- 📖 切開リフト修正②「広がった傷あと」なぜ傷だけ切り取ると再発するのか?を読む →
- 📖 切開リフト修正①「ピクシーイヤー(耳たぶ変形)」の原因と根本矯正を読む →
📍 AVA美容外科(AVA Plastic Surgery) · ソウル特別市 瑞草区 江南大路 603 インソンビル 4階(新沙駅4番出口 徒歩1分) · TEL +82 2-545-1882
※ 手術およびオンライン相談に関するご案内:傷あとの成熟速度や最終的な見え方には体質・肌質による個人差があります。術後1〜3ヶ月は一時的な赤みが生じ、6〜12ヶ月かけて徐々に薄くなります。すべての手術には出血・感染・血腫・肥厚性瘢痕・左右差などのリスクが伴います。
よくあるご質問(臨床FAQ)
Q. 切開リフトの傷あとはどこに隠れますか?髪を耳にかけても見えませんか?
こめかみの生え際境界から耳珠(耳の前の軟骨)の自然な輪郭、耳たぶの付け根の溝、そして耳の裏側の折れ返りから後頭部の生え際へと隠すため、成熟後は髪をアップにしてもほとんど分からない位置に収まります。
Q. リフトアップ後にもみあげが上に引っ張られて不自然になるのをどう防ぎますか?
引き上げ量が大きい場合は頭皮内切開だけにこだわらず、もみあげ下縁の生え際ラインに沿って毛根の角度に合わせた斜め切開(毛包温存切開)を行うことで、もみあげの位置を保ちながら傷あとを産毛の中に隠します。
Q. 傷あとの赤みが消えるまでどのくらいの期間がかかりますか?
術後1〜3ヶ月は創傷治癒に伴うピンク色の赤みがありますが、コンシーラーでカバー可能であり、6ヶ月〜1年かけて本来の肌色に近い細く滑らかなラインへと落ち着きます。

